現代を軽やかに生きる女優の吉行和子さん。「年を重ねることでいいと思うことは?」「健康のために食事で気をつけていることは?」など、アラフィー世代が気になる今後の人生について伺いました。
【profile】
よしゆき かずこ●’35年、東京都生まれ。女優。女子学院高等学校を卒業後、劇団民藝に所属し舞台デビュー。’59年『にあんちゃん』(毎日映画コンクール女優助演賞)、’79年『愛の亡霊』、’14年『東京家族』(日本アカデミー賞優秀主演女優賞)などの映画をはじめ出演作多数。
Q.健康のために食事で気をつけていることは?
A.納豆、牛乳、野菜……、体にいいものは意識して食べます。基本的に出されたものはなんでも食べるほうです。
Q.今後、夫とふたりだけの人生が心配なのですが、どうしたら……
A.夫を置いていくくらい、自分の時間を楽しんでは? 私が50代のころに比べたら、今は楽しみもたくさんあるじゃない! 我慢して欝々(うつうつ)としていても、いいことはありませんよ。
Q.年老いた親との距離感はどうとればいいですか?
A.40代のとき、母が暮らす同じマンションに別の部屋を持ちました。とてもいい選択だったと思います。
Q.終活としての断捨離はどのようにしていますか?
A.若いころから引っ越し続きで、モノには執着しません。母の遺品なども、考えずにぱっぱっと捨てました。
Q.年を重ねることでいいと思うことはなんですか?
A.自由に生きられるようになるし、相手のことがわかるようになって、気持ち的にも優しくなります。長生きはむだではありません。
『そしていま、一人になった』
吉行和子 ホーム社 ¥1,700
父は作家・吉行エイスケ、母はNHK朝ドラの主人公にもなった美容師・吉行あぐり、兄は作家・吉行淳之介、妹は詩人で作家・吉行理恵――。80歳を過ぎた女優・吉行和子が、今だから語れる亡き家族の歴史。自身の来し方と行く末を見つめる中で探り当てた、家族との絆を描くエッセー。
撮影/伊藤大作(The VOICE) ヘア&メイク/清水惇子(style STYLE) 取材・文/渥美志保